原爆の語り部2 ~デイサービスで伝えた平和への願い~
2026年6月13日 17時01分広島市中区のデイサービスセンターまごころでは特別なレクリエーションを行いました。
今回の主役は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と向き合いながら生活されている利用者様です。
この利用者様は、長年にわたり「原爆の語り部」として活動され、広島の歴史や平和の大切さを多くの人へ伝えてこられました。
現在はALSの進行により、ご自身の声で話すことが難しくなっています。しかし、「平和への思いを伝えたい」という気持ちは今も変わっていません。
そこで今回、デイサービスセンターまごころの中で、原爆の語り部としての活動を行っていただきました。
ご本人とスタッフが力を合わせて実現
今回の企画では、利用者様ご本人が長年撮りためてこられた原爆ドームや平和記念公園の写真を紹介しながら、原爆や平和をテーマにしたクイズ大会を開催しました。
準備段階から利用者様ご本人が問題を考え、当日は筆談で伝えてくださった内容をスタッフが代読する形で進行しました。
利用者様とスタッフが協力しながら作り上げた、まさに「語り部活動」です。
会場には、桜に彩られた原爆ドーム、雪景色の原爆ドーム、平和記念公園の美しい風景など、ご本人が撮影された写真が並びました。
参加された利用者様からは、
「こんな写真が撮れるんじゃね」
「同じ場所でも季節によって全然違うんじゃね」
「知らんことがたくさんあるね」
といった声が聞かれ、皆さん興味深く写真を見入っておられました。
七色の虹と「午後2時」のクイズ
クイズ大会では、原爆や平和について学ぶ問題だけでなく、ご本人が撮影された写真を題材にした問題も出題されました。
中でも皆さんが大いに盛り上がったのが、原爆ドームの上に美しい七色の虹がかかった写真についての問題です。
利用者様からの問題は、
「この写真は何時頃に撮影されたものでしょう?」
というもの。
参加された皆さんは、
「夕方かね?」
「雨上がりじゃけぇ午前中かもしれんね」
と真剣に考えておられました。
そして発表された答えは、
「午後2時頃です。」
理由を聞くと、
「虹は七色じゃけぇね。」
という、ご本人らしいユーモアあふれる答え。
会場は大きな笑いに包まれました。
原爆や平和という大切なテーマを学びながらも、笑顔あふれる温かな時間となりました。
「伝えること」が生きる力になる
私たちが特に印象に残ったのは、利用者様が生き生きと企画に参加されていたことです。
ALSによって身体の自由が少しずつ制限される中でも、これまで培ってこられた経験や知識、そして「誰かに伝えたい」という思いは決して失われるものではありません。
筆談で一文字一文字思いを伝え、それをスタッフが代読する。
その姿からは、平和への願いと、人とのつながりを大切にする強い気持ちが感じられました。
今回の活動は利用者様にとって、
・原爆の語り部としての経験を活かす機会
・社会とのつながりを感じる機会
・誰かの役に立つ喜びを感じる機会
・生きる意欲につながる機会
になったのではないかと思います。
他の利用者様にとっても大きな刺激
今回の活動は、参加された他の利用者様にとっても大きな刺激となりました。
同じデイサービスを利用する仲間が、自ら考え、準備し、スタッフと協力しながら皆の前で活躍する姿は、多くの方の心に残ったようです。
年齢を重ねても、病気になっても、自分の経験や知識を誰かに伝えることができます。
そして、そのことが生きがいや希望につながります。
利用者様同士が学び合い、刺激し合う時間は、認知症予防や介護予防という面でも大切な機会になっています。
まごころが通じ合うデイサービスを目指して
デイサービスセンターまごころでは、単に介護サービスを提供するだけでなく、一人ひとりの人生や経験を大切にした支援を心掛けています。
今回の活動は、平和について学ぶ時間であると同時に、人が誰かに伝える喜びや、生きる力について改めて考えることのできる貴重な時間となりました。
介護が必要になっても、病気を抱えていても、その人らしい役割や活躍の場を持つことはできます。
これからも広島市中区のデイサービスセンターまごころは、利用者様一人ひとりの「やりたい」「伝えたい」を大切にしながら、まごころが通じ合うデイサービスを目指してまいります。